看護師のキャリアアップで勉強すべき基礎スキルまとめ

佐藤ゆみ(32歳・看護師)

「あなた本当に3年目なの?」

これは私が転職先で言われた言葉です。
そのくらいスキルが無かったという……

でも看護師8年目の今。それなりに成長し、新卒の教育担当も何とかやれています。

最近は認定看護師や専門看護師が人気です。
私もいくつかの資格をもっています。

でもここではそういった資格系の話はしません。
正直私は、看護師がキャリアップするには、基礎能力が重要だと思っています。

専門の資格は、その診療科でしか役に立ちませんが、基礎能力はどの診療科に行っても役に立ちます。
それに病院側からも、専門特化スキルより、基礎スキルのほうが求められます。

ということで、「看護師の基礎スキル」を中心にキャリアアップで勉強すべきポイントをまとめてみました。

主体的に学ぶ

自ら学びましょう。
看護を学ぶのはとても楽しいことです。
すごい先輩方は、誰かに言われて学ぶよりも、「必要だから」「面白そうだから」「知りたいから」といった理由で学んでいます。
これは成長する看護師にとって重要なことだと思いました。

説明ができるように

尊敬できる先輩は例外なく説明が上手です。

「なぜこの機器を使うのか?」
「なぜこのケアが必要なのか?」
「なぜ今やならければいけないのか?」

必ず「なぜそうなるのか」「どんな理論でそうなったのか」を説明してくれます。
これはマニュアルや指示書などの表面ではなく、行動の意味を理解する必要があるということです。
表面ではなく、意味を理解するほどにその応用範囲は広がっていきます。

行動には「なぜ?」を繰り返しましょう。
自分がプリセプターや教育担当になった時「なぜ」を説明できるようになります。

分けて考える

医療は複雑です。
問題を解決するとき、全体を問いてはいけません。
疾患、感情、環境、タイミング、人間関係など、多くの問題を含んでおり、複雑すぎて失敗しやすいからです。

複雑な問題はまず分解し、小さくてシンプルな問題に落とし込みましょう。
小さな問題であれば、解決策がシンプルになり、その結果もシンプルで判別しやすく、解決しやすくなります。
またその経験は、応用範囲が広いシンプルな知識として大いに役立ってくれます。

良い習慣を身に付ける

看護師としての人生は、習慣によって大きく変わります。
患者さんへの接し方、カルテの書き方、医師とのコミュニケーション方法、報連相の仕方……、など良い習慣は多くあります。
これら習慣は、先輩方を見て学びます。
先輩の良い習慣をメモし、自分の習慣として取り込みましょう。

効率化できないか考えよう

看護師はアセスメントが重要です。
バタバタと忙しいのは悪弊しかりません。患者さんの小さな変化を見逃します。

効率良く働けないか検討しましょう。
やらなくてもよい仕事、完璧を求めすぎている仕事、頑張りすぎている仕事を見直しましょう。
繰り返し行う仕事はルーチン化し、半自動的に作業できるように改善するのも大事です。

ゆとりを持って働くことで患者さんの変化に気が付ける看護師になるのです。

看護以外のスキル

看護師の仕事は看護です。
しかし看護ができればよいわけではありません。例えば患者さん以外にも、同僚看護師、医師、患者さんのご家族、他部署との連携も必要です。人と人を繋ぐコミュニケーションも重要なスキルです。

伝える能力

他人に何かを伝えるのは難しいことです。
特に新人の頃は「言いたいことが分からない」「要点を絞って」など先輩方から注意されることも多いでしょう。医師からは「あなたの主観だけではなく、客観的な情報も欲しい」と言われることもあります。
伝える時は「結論、前提条件、取捨選択」が重要です。
まずは話のゴール(結論)から伝え、そのゴールに至る道筋(前提条件)、相手にとって重要なこと(取捨選択)を順序よく伝えましょう。
伝える能力は日常生活ではなかなか身に付かないものです。
自分で意識して「正しく伝わる」ことを意識しましょう。

勉強法

インプット量は重要です。
ある問題は、知識が無いと永遠と悩み続けますが、ちょっと知っているだけで解決の糸口を思いつけたりするからです。優秀な先輩方はこのチョットした情報量が圧倒的に多く、問題に対していくつもの仮説を思いつけるため、問題解決力が高いのです。
日常から書籍、論文、雑誌など幅広い情報をインプットしておきましょう。
特に基礎的な概念は、応用範囲が広く、様々な知識を得るための手助けになってくれるためオススメです。

アセスメントをシッカリ行う

アセスメントは看護師にとって最重要スキルです。
医師は看護師にアセスメント能力を最も求めています。
またアセスメントは、どんな診療科でも必ず必要となる汎用性の高いスキルです。身に付けておいて損はありません。

医療機器を理解する

医療現場には様々な機器あります。
それぞれに使い方があり、覚えるだけでも大変です。
ただその表面的な使い方だけではなく、機器が持つ意味や背景、治療効果を理解しましょう。
医療機器は星の数ほどありますが、その背景は似ていることが多いです。「なぜこれを使うのか」をしっかり理解していれば、最新機器に入れ替わっても、診療科が変わっても、別の病院に転職しても、使いこなすまでそう時間はかからないでしょう。

他人の力を借りる

分からないことはまず自分で調べましょう。
ただある程度時間をかけて分からなければ、先輩方に聞きましょう。
成長しない看護師は、自分の力に頼りすぎです。
逆に急成長する看護師は、先輩を上手に教えてもらっています。

もちろん自分の頭で考えるのは重要なことです。
でも先人の知恵はそれ以上に重要です。

楽しむ

極論を言えば、仕事を楽しんでいる看護師ほど成長しています。
これは看護に限らずどの分野でも言えることです。
楽しめる人ほど主体性が高まりますし、集中できますし、周りからの協力も得られやすいです。

ただこれは個人の資質よりも、環境の適合度が大きいです。
「楽しい仕事」ではなく「楽しい職場」だからこそ楽しめるのです。

最後に

基礎スキルを学べる病院で働きましょう。
尊敬できる先輩、モデルケースとなってくれる先輩、こうなりたいと思える先輩。

そうした先輩がいる職場がベストです。
私が今働いているのは、まさにそうした職場です。

その結果として、役職者としてヘッドハントされたり、どこの病院でもやっていける人だったり、訪問看護立ち上げたり、そうした優秀な人を多く輩出しています。
色んな道があるのだなと思う反面、それには基礎スキルが大事なんだなとあらためて思うのです。