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ADHDの看護師が障碍者求人枠で転職した話

匿名希望(20代・看護師)

初めまして。こんにちわ。
関東方面に住む20代の看護師です。

看護師になってからずっと働きづらさを感じており、数年にADHDの診断を受けました。
同時期に精神障碍者手帳3級を取得しています。
今年に入って、障碍者枠で転職したため、その備忘録を書いてみます。

私のこと

不注意型のADHDです。
仕事で致命的だったのは物忘れです。
看護師はマルチタスクとイレギュラー業務が多く、毎日のように叱られていました。
新人の頃の評価は最低ランク。
師長からは「やる気がない、改善する意思が見られない」と酷評されました。
ADHDの診断を受け、それを伝えたところ、クビのような状態で退職となりました。

一般の看護師として働くことに限界を感じ、障碍者枠で働くことを決意した次第です。

障碍者枠の転職活動

初めは自己応募で活動しました。
ただ情報が少なく、アプローチできる病院がかなり限定されてしまいました。
それでも5回面接まで行けましたが、全て不採用。
不採用の理由は教えてもらえませんでした。

個人の転職活動に限界を感じ、転職エージェントを利用。
4つほど登録しましたが、1社には断られ、もう1社からは返事すら貰えず、お世話になったのは残りの2社です。

R社(全国展開の大手)
O社(特定エリア限定)

特にお世話になったのはR社なので、そちらを中心に活動内容を書いていきます。

障碍者が転職エージェントを利用して

まず転職エージェントを利用しても、基本的には一般枠での転職とあまり変わりませんでした。
登録後に電話がかかってきて、希望内容をヒアリング(この時に障碍があると伝えた)、直接会って面談、履歴書等の資料作成。
あとは自分の障碍についての説明書類を作ったくらいです。
障碍者の看護師を何度か担当したエージェントだったため、スムーズに話は進みました。
看護における自分の得意、不得意、できる業務、苦手な業務、職場に配慮してほしい事など、上手にヒアリングして頂き、自分でも多くの気づきがありました。

また面接対策もして頂き「どう答えると印象が良くなるか?」が理解できました。
さらに障碍者枠の具体的な現状についても色々と教えて頂けました。
例えば、病院が求めているのは「障碍者であっても、ある程度普通に業務でき、フルタイムかつ、夜勤もできる人材」とのことでした。
あとはやはり障碍者枠で採用するのは、中規模~大規模病院のみということ。

こうしたお話を聞く中で、直接応募で全滅した理由が理解できました。

転職エージェント2社の違い

私は2つのエージェントを利用しました。
違いをシンプルに言えば、大手と中小企業と言った感じです。

結果的には大手のR社で転職に成功しました。
ですが、どちらのエージェントさんにもとても親切にして頂けました。
私の障碍について理解を頂き、配慮もして頂き、最大限のサービスを受けられたと思っています。
何よりも、社会人になって初めて人間として扱われたような気がしました。

2つの違いとしては、求人の紹介方法です。

大手のR社は、障碍者枠のある病院をどんどん紹介してくれ、応募させてくれました。
零細のO社は、希望にマッチした求人だけを紹介してくれ、応募にも慎重な感じでした。

R社は14病院紹介→8つ応募→3つ面接→2つ内定→転職。
O社は3病院紹介→1つ応募→1つ面接→内定なし。

印象としては大手のほうが多くの取引病院を抱えており、転職の幅が広がると感じました。

エージェントの利点

5つの利点を感じました。

まず前記した通り「1.障碍者雇用の現状を教えてもらえる」「2.障碍者求人を見つけやすい」「3.自分の得意不得意が客観的に分かる」という3点。

他に感じたのは「4.応募がスムーズ」という点です。
自己応募となると、自分が障碍者である旨、どんな障害があるか、どんな配慮が必要か、どんな働き方ができるか、など伝える情報が沢山あります。
これを毎回やるのは難儀です。
電話では伝わりにくいこともあり、大きなストレスでした。
ですがこれは全てエージェントさんが代行してくれます。
これは大いに助かりました。

最後に「5.面接がスムーズ」という点です。
私の情報は、事前に病院側に伝わっているため、面接で聞かれる内容は少なめでした。
また書類審査の段階で「うちで働くのは難しい」と判断いただけるため、無駄な面接もありませんでした。
ほとんどが前向きな採用の面接だったと感じました。

さらに言えば、面接にはエージェントさんも同席して頂けるため、情報の伝え忘れがなくなります。
世間話等もエージェントさんが中心になってしてくれるため、私は面接に集中できました。
「どうやって働くか?」を詰める段階になってからも、自分の障碍特性、得意不得意、職場の配慮など、スムーズに話し合えたと思います。

内定から入職まで

内定は2つ頂けました。
内定のたびにエージェントさんが喜んでくれ、私も嬉しかったです。
内定時期はエージェントさんが調整してくれていたため、2つの内定が同時期に出る感じでした。

結果としては、面接時に師長さんが出席してくれた病院を選びました。
入職してからがスムーズだと思ったからです。

実際、入職後はスムーズでした。
周りの配慮、業務次第で、ここまで楽に働けるのだと感じました。
夜勤も普通にこなせるようになり、シフトの戦力として頼られる嬉しさを感じました。
担当も配慮して頂き、私に向いた患者さんを当てて頂いています。

唯一の心配は、師長さんが交代することです。
ですが師長さんはまだ40代で「できれば残りの看護師人生はこの病棟で働きたい」と言われているので、少し安心しています。
できるならば私が定年するまで居てほしいです。

障碍者枠の給料について

一般枠に比べると下がります。
基本給として10%~20%ほど下がるようです。

私は一般枠の方と比べて、年収ベースで20万円ほど下がっています。
ただその分配慮を頂いているので、全く問題を感じていません。
むしろ夜勤や残業もできるようになったため、前職よりも80万円近く上がっています。

うちの病院は良心的です。
障碍者の良さにつけこんで、酷い給料の病院もあります。
エージェントさんに頼ってからは大丈夫でしたが、直接応募していた時はそうした病院が普通だと思っていました。

障碍者をオープンにすべきか?

これは人ごと、職場ごとに変わると思います。
自分の障碍をオープンにできない性格の方もいますので。
社会には障害に付け込んでくる方もいますし。

私個人としては、オープン派です。
周りの理解と手助けは、必要不可欠だと感じています。
断然働きやすくなります。
そうした配慮を頂ければ、普通の看護師として働くことができるからです。

最後に

この記事が誰かのお役に立てることを願って。
ではでは。