【看護師】地域包括ケア病棟ってどうですか?【転職してみて】

ご相談

A.Tさん(30代・看護師)

こんにちわ。
次の転職先を地域包括ケア病棟にしようと考えています。

今までは外科系の急性期で働いてきました。
地域包括は初めてです。

不安も大きく、働いている方から色々とお伺いしたのです。

働いた感じはどうでしょうか?
介護員さんとの関係はどうでしょうか?
どんな仕事をしているのでしょうか?

私は「地域包括ケアがしたい!」という訳ではなく、通勤しやすく、待遇も良いため、転職しようと考えています。
意識は低いですが、ご回答いただければ幸いです。

回答

山本明子(40代・看護師)

こんにちわ!
山本と申します。

地域包括ケア病棟で働いています。

しかも地域包括ばかり3つの病院を転々と(^^;)
計10年ほど勤めています。

さて肝心のご質問「働いた感じは?」ですが、答えは「職場にって全然違う」となり、何とも答えにくいのです。
「急性期ってどう?」と聞かれても、やはり職場によって違うかと思います。

ただし急性期は「患者さんのサイクルが早い」「バタバタ忙しい」などの共通点もあります。
地域包括にもそうした共通点があるので、その辺りから書いてみます。

地域包括の共通点

まず大前提として、地域包括ケア病棟は「60日間の退院支援」という建前があります。
急性期と自宅を繋ぐ架け橋みたいな。

ただし内情として「何でも屋」に近いです。
悪く言えば「いいように使われる病棟」です。

周りの看護師からは軽く見られたりもします。
やる気をなくす看護師もいますし、辞めていく看護師もいます。
配属されて泣いている新人さんもいました(^^;)

私個人としても新人ならまずは急性期だとは思います。
地域包括ケアは難しい仕事ではありませんが、だからこそ経験を積んでからのほうがいいのかなと。

「地域包括ケアでしか学べないことは?」と聞かれても、答えは難しいですし。
例えば、退院支援は一般病棟でもやっており「地域包括は何が違う?」と聞かれると、うーん、となるのです。

もちろんリハビリをやるべきなのでしょうけど、患者さんの大半は高齢者の方です。
認知症の方も多いですし。
ハッキリ言えば、回復は難しい患者さんが多いのです。

一般病棟に空きが無いから、という理由で地域包括に回ってくる患者さんもいます。

仕事内容は、受け入れる患者さんによって全然違ってきます。
これは病院の方針に寄るため、病院によって全然違うということになります。

何でも受け入れるタイプの地域包括ケア病棟であれば、必然的に高齢の方が多くなります。
認知症の確率も高くなります。

そうすると目的はリハビリではなく、施設の空き待ち、自宅の受け入れ態勢待ち(改修、家族の状況)、レスパイトなどになります。
こうなると仕事は看護ではなく、介護中心です。

60日ですんなりと在宅や施設に移行できる患者さんは少数。
結局は病院のたらいまわしです。

それとは違い、QOLの維持改善を目的にしているような意識が高い職場もありました。
リハ中心の慢性期病棟といった感じです。

退院後のケアプランを作ったり、PTさんとリハの段取りしたり。
スタッフも、ご家族も積極的な方が多かった気がします。

ただしこれは現場の意思というよりは、病院の方針次第です。
こうした職場では、患者さんをシッカリ選んでおり、本来の地域包括ケアができるかと思います。

ただし現実的にはかなり珍しいようです(^^;)
私が働いていた職場は、意識高い系でしたが、毎週のように全国から視察が来るほど珍しいそうで。

あと地域包括ケアには「専門の科が無い」という特徴があります。

色んな科から患者さんが来ます。
単科病棟よりも、広範囲の知識が必要になります。
経験したことのない疾患の患者さんもゴロゴロいます。

そうした患者さんでも、状態が落ち着いていれば対応もしやすいですが、そうでもないのです。

「え?急性期離脱してないよね?」という患者さんが結構来ます。
地域包括は何でも屋ですから、急性期に空きが無くなれば回されるのはしょっちゅうです。

緊急入院レベルの患者さんが来たときは、恐怖でしかありません。
地域包括は一線を退いた看護師ばかりですので、誰も担当したがらず、押し付け合いです(^^;)

ただし今の職場は、新人さんにはかなり優しいです。
みんなでしっかり面倒を見ています。
「私達の持つ看護技術を全て教えてあげる!」くらいに。

地域包括に来る新人さんはある意味不憫です。
だからこそ、それを少しでも解消したいという師長の意思が、他の看護師にも影響している感じです。

例の泣いていた新人さんは、地域包括で3年間勤めあげ「ここで働けて本当に良かったです!」と泣きながら急性期へと転属していきました。
先輩看護師みんなもらい泣きです(^^;)

ちなみにこの新人さん、今では急性期でプリセプターとして活躍しており、かなりの成長株だそうで(^^)

さて。
ここまでお話しして「介護施設みたいな感じ?」と思われたかもしれません。

働いた感覚的には近いと思います。

ただし待遇面は地域包括の方が良いです。

介護施設は、社会福祉法人や一般法人ですから、どうしても給料が低くなります。

でも地域包括は、医療施設です。
急性期と同じレベルで給料が出ます。

医療法人に勤めていた方が、社会的な信頼度も高く、優遇ローンが受けられたり、世間体的にも良いです。

それに介護施設だと、どうしても介護ヘルパーさんの力が強く、看護師が隅に追いやられます。
私は介護施設経験者ですが、できればもう戻りたくないです(^^;)

子育てのブランク後に、介護施設を選ぶ看護師の方は多いですが、それなら地域包括ケアのほうが断然良いかと思います。

とは言え、あなたが地域包括ケア病棟に何を求めているかは大事です。

もし「やりがいや、看護スキルを身に付けたい」という思いであれば、それは難しいと思います。
逆に「仕事よりも生活を優先したい」「でも臨床現場にはいたい」「経済的にも給料はそこそこほしい」というお考えであれば、ぴったりだと思います。

意識低いとは言われますが、実際にはそうした看護師の方が長続きします。

私個人としては、ずっと今の地域包括で働いていければなと思っています。
ご参考になれば(^^)