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ホワイト病院に転職した看護師の末路

片山 あずさ(27歳・看護師)

こんにちわ。
片山@ナースです。

私は「ブラック病院→ホワイト病院」という経歴を持っています。

ブラック病院については、以前書きましたが、簡単に説明すると。
毎日クズだと罵られ、朝礼では必ず誰かが泣き、先輩方は発狂がデフォルト。
同期や後輩からの密告、裏切り、疑心暗鬼。
人間関係はギスギスで最悪レベルでした。
待遇は、長時間残業、サビ残、休日出勤、終わりの見えない看護研究、罵倒に使にしか使われないラダーなど、こちらも最悪レベル。

毎日のように「辞めたい、消えたい、楽になりたい」って思っていました…。

そんな時。
唯一の優しい先輩(病棟のエース)が、退職することに(ToT)

「私も辞めますー!」と、先輩から転職活動のノウハウを伝授され。
紹介してもらった転職サイトの担当者さんが、予想外に優秀な方で、おんぶに抱っこで転職先が決まりました。

そんな私ですが、今はホワイト病院でまったりと働いています。

休日出勤はありますが、普通に代休が取れます。
緊急入院が無ければ、普通に定時で帰宅できます。
残業代が入るようになり、給料は爆上げしました。
人間関係は、いたって平穏です。

素敵な職場です…。

しかし!

異変は私自身にありました。
ブラックの毒に、予想以上に侵されていたのです…。

こんな「ブラックからホワイト病院に転職した看護師」の悲しい現状をお伝えいたします。

普通が分からない(T-T)

今は人間関係がとても平穏な職場です。

ですが、良い人ばかりではありません。
パワハラをしてくる先輩もいます。

先輩1「これ誰がやったの?片山さんじゃないの?前の病院では教えてくれなかったのかな?」
わたし「すみません!すぐ直します!」

・・・

先輩2「・・・片山さん。気にしないでね。いつもあんな感じの人だから」
わたし「へ?何がですか?」
先輩2「さっきパワハラされたでしょ?先輩1はパワハラで有名だから・・・」
わたし「え!?あれがパワハラなんですか?」
先輩2「あんた、今までどんなパワハラ受けてきたのよ(笑」
わたし「あほ、くず、ごみ、まぬけ、しね、向ていない、もうやめろ、看護師やめろ、にんげんやめろ、って言われてました」
先輩2「ごめん笑えないわ・・・」
わたし「そういえば、夜勤明けに廊下で3時間立たされたこともあります」
先輩2「どん引きですわ・・・」

この話が師長の耳にも届いたらしく、個室に呼び出され。

師長「片山さん。あなた大変な経験をしてきたみたいね」
師長「でもそれが普通だと思っちゃダメよ」
師長「あなたまでおかしくなるから」

と、クギを刺されました。
確かに私は、ブラック病院に慣れ過ぎて、普通の感覚が分からなくなっていました。
正直「何てぬるい職場なんだ」と思っていました。

ある意味、ブラック病院に勤めて強くなれたのかもしれません。
ですがそれと同時に失ったものも大きいと思っています。

周りに合わせられない(T-T)

今の職場は、残業が少なめです。
基本的には定時帰宅。
急変や入院があるときだけ残業になります。

業務量はほどほどで、ある意味ヒマです。
定時前に仕事が終わることもしばしば。

先輩方はイスに座って談笑。
ナースステーションに患者さんが遊びに来たり、まったりモードです。

しかし!

わたしには未知の体験です・・・。
「時間が余る」なんてことは、未だかつてありませんでした。
「ヒマ=無能」を叩きこまれていた私にとって、不安しかありませんでした。

そんな時、また師長から呼び出されました。

師長「片山さん。休めるときは休んでいいんだよ?」
師長「あなたが働いていたら、他の人も休めなくなっちゃうからね」

確かに・・・_| ̄|○

私は自分のことしか考えていませんでした。
ヒマが怖くて、無理やり仕事を作っていましたが「職場のため」と思っていました。
まさかそれが皆の迷惑になるとは・・・。

職場で休むなんてもってのほか、家でも勉強しろ、看護師に休みなんてない、24時間仕事のことを考えろ。
私はこんな環境で育ってきたので_| ̄|○

この思考のクセは、なかなか抜けず苦労しました。

でも郷に入っては郷に従えです。
私は周りに合わせることを学びました。

罪悪感が辛かった(T-T)

定時で帰宅すると(17時15分)、自宅に付くのは18時とかです。
夕日を浴びながら帰宅するのは、ちょっと感動しました。

で、帰宅して気が付いたのです。
「やることが無い・・・」と。

以前は家に帰って寝るだけの生活でしたから。
部屋の中をうろうろしたり、タオル1枚を洗濯したり、意味もなく冷蔵庫を開けてみたり。

私には趣味がありません。
ヒマを持て余すようになり、罪悪感が襲ってきました。
「私はなんてムダな人生を過ごしているんだ」と。

休日は特に不安でした。
「予定がない…、どうしよう…、どうしよう…、とりあえず病院に行くか…」と、自主的に休日出勤して、師長に叱られたこともあります。

今ではテレビを買い、スマホにゲームを入れ、ブラブラと散歩したり、帰宅中にショッピングを楽しんだり、ジムに通ったり、コンパに誘ってもらったり(看護師は本当にモテる!)、友達と飲みに行ったり、母親と旅行に行ったり。
普通の20代を楽しめているのかな、と思います。

他人を信用できない(T-T)

以前の職場は、小さなミスもすぐに先輩や主任の耳に入り、激しい罵倒と人格否定が待っていました。

この大半は、同僚の密告によるものです。
人間関係の悩みを同僚に話したところ、翌日には職場全員が知っており、陰湿ないじめ(私物を捨てられたリ、無視されたり)を受けました。

こうした信頼ゼロの職場は、警戒心MAXで動かなければいけません。
汚い腹の探り合いです。

↓前の職場はこんな感じ。
同期1「片山さんは、休みの日何やってるの?」
わたし(うわっヤバイ…。また主任にチクられて怒鳴られる…)

わたし「看護研究の本を読んでますねー(読んでない)(同期にも敬語)」
同期1「えー?遊びに行かないのー?」
わたし「仕事優先ですから」
わたし「同期1さんは、遊んでるんですか?」
同期1「私も勉強かなー」
同期2「えー、こないだ旅行に行ったって言ってなかった?」
同期1「そんなわけないじゃんw うそうそw」
わたし(この不毛な会話は何なんだ・・・)

誰も信用できない。
全員が敵。
隙を見せた者から狩られる。

という職場でした(^^;)

こうした同僚の密告は、理解できます。
パワハラの矛先を他人に向け、自分は安全圏に居たいのでしょう。
実際、その通りになっていました。

でもこの邪悪な環境は、私の性格を歪ませました。
本音を語ることができなくなり、人を信用できなくなり、人付き合いが嫌いになりました。
これは今でも直っていません・・・。

今のホワイト病院は、ちょとのミスでは怒られません。
これが逆に不安です。
「裏で悪口言われていそう…」と疑心暗鬼になってしまいます。

看護学校からの親友は「アンタ性格変わりすぎw」と笑ってくれますが。
自分ではとても悲しいのです…。

まとめ

ブラック病院を辞めたい看護師へ

ブラックを辞めても、その呪縛から逃れられる訳じゃありません。
ホワイト病院に転職しても、そこの住人になれる訳じゃないのです。

ディストピアからユートピアへの転職は、不安が大きいです。

ブラック病院はそれほど劣悪な環境でした。
私はゴミのように扱われ、無価値な人間でした。

その爪痕は、私の心に大きく残っています。
ブラック後遺症というやつです。

今のホワイト病院は、恵まれた環境だと思います。
「しね、ごみ、やめろ」と言われない日常は、精神的に良いものです。

時間の経過とともに、ブラックの呪縛は少しづつ解けてきます。
だからこそ「もっと早く転職したらよかった」と後悔もあります。

皆さんは、後悔のないように。
陰ながら、お祈りしております(-人-)