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【看護師】解雇されて給料も減額。どうしたらいいですか?【労働監督署】

ご相談

匿名(20代・看護師)

初めまして。
仕事で辛いことがあり、今も悩んでいます。

あと1週間ほどで、病院をクビになります。
職務怠慢と言われましたが、そもそもの発端は院長のセクハラ(仕事中に手を握られたり、忘年会の後に呼び出されたり)を師長に相談したことです。

師長は最初、親身に相談に乗ってくれていましたが、日が経つにつれ、徐々に院長側に立つようになりました。
最終的には「色目を使っていた」「周りに悪影響」「仕事に集中してない」と非難され、クビを宣告されました。

「もう次の看護師は決まっている」とのこで、今月末に退職です。

有休消化を申し出ましたが「懲戒解雇だから使えない」と言われました。
「給料も満額は出さない」と言われてます。

あまりにも急過ぎて何が何だかわからず、毎日泣いてばかりいます。

でもこのまま辞めるのは正直悔しいです。
何とか少しでもやり返すことはできないものでしょうか?

回答

道庭ミチコ(30代・看護師)

初めまして。
ミチコと申します。

深刻なお悩み、心中お察しいたします…。
とんでもない病院ですね。

お怒りよーーーく分かります!!!

私にも似たような経験があります。
小さなクリニックだったのですが、院長夫人から目の敵にされ、クビ同然の退職をさせられました。

少しでもギャフンと言わせたくて、残業代未払い分(約50万)を請求しました。

もちろん素直に払ってくれるわけもなくグダグダの言い合いに。

司法書士の先生まで呼ばれて、総勢4人の大人に囲まれ「人間のクズ」「粗大ゴミ」とまで言われ、何も言い返せなくなり、泣きながら帰りました。

悔しい!!!
絶対に泣き寝入りしたくない!!!

私は当時流行っていたネット掲示板の2ちゃんねるで相談(^^;)
同じような経験をした方は沢山いるようで、色んなアドバイスを貰いました。

結果、労働監督署に相談。

残業代はこちらの要求通り満額が支払われることに!
院長夫人からは、最後まで謝罪なしでしたが、私の心が楽になったのは今でも覚えています。

退職トラブルで味方になってくれるのは、やはり法律です。
法律を盾に、労働監督署に相談したらいいのです。

労働基準監督署(以下、労基)は、そのイメージとは裏腹に、かなり親身になって話を聞いてくれました。
無料の法律相談に行ったのですが、親身に対応して頂けました。

その時、学んだノウハウを書いてみます。

退職でモメたとき用のメモ

・解雇について
解雇は、基本的に誰にもメリットはない。
病院側にも、労働者側にも。
手続きが面倒になるだけ。

病院としては自主退職してもらった方が楽。
メリットがあるとするなら「嫌がらせ」目的。

ただし正当な理由が無い解雇は違法。

・裁判について
裁判は、基本的に誰にもメリットはない。
時間もお金もかかる。

もし裁判になっても、証拠があればたいていは労働者側が勝てる。
労働法は労働者を守るためにある。

給料未払い系の裁判は、上乗せしての支払いになり、普通は会社側が引くため、訴訟まで行くのは珍しい。

・退職金
退職金の有無は、職場によって違う。
法的には無くてもいい。

ただし就業規則などに書かれていれば、支払い義務があるため、請求した方がいい。

ちなみに就業規則は、従業員10人以上いると役所に届け出が必要。
ゆえにたいていの病院は、就業規則が提出されており、労基の職員さんも確認できる。

・退職時期について
2週間で退職できる。

民法には、退職の申し出から2週間で退職と書かれている。
経営側には、それを拒否したり、伸ばしたりという権利が無い。

病院の就業規則には「退職の申し出から2ヵ月後」「3月末に退職」と書かれているが、法的な拘束力は全くない。
しいて言えば「こうしてくれたら嬉しいな」という病院の「願望」でしかない。

書類にサインしていても大丈夫。
民法の方が強い。

ただし引継ぎやシフトもあるため、現実的に2週間では短いことも。
そのため1ヵ月後の退職が一般的であり、トラブルが少なくて良い。

それ以上の延長は、本人の気持ち次第。
ただしその善意を逆手にとって、辞めさせない会社もあるので注意。

・有休消化
有休は退職時に必ず消化できる。
こちらが「有休消化後、退職します」と伝えれば、経営側にそれを拒否する権利は一切ない。

ゆえに有休が14日残っていれば、出勤なしで2週間後に退職できる。
最近流行りの退職代行(即日退職)は、これを利用している。

・脅迫
退職時に経営者から脅迫されることもある。

例えば「転職先にクレームを入れる」「この辺りの病院で働けないようにしてやる」と言うのは脅迫になる。
刑事事件なので、警察にも相談すること。

また脅迫まではいかなくても、社員が辞めた腹いせに、悪い噂を流す経営者は多い。
円満退職以外は、転職先を教えないほうがいい。

・未払い金
残業代は2年前まで遡って請求できる。
請求の書類を作り、簡易書留で病院に送付する。

・書類全般
病院側に渡す資料は、コピーを渡す。
原本は手元に置いておくこと。

・懲戒解雇
こちらが退職を申し出てからの懲戒解雇は違法。
例えば「辞めたいです」「じゃあクビだ」は違法。

・「訴える、嫌ならサインしろ」と脅された時
「ちょっと考えます」と伝えて、その書類をもって労働監督署に相談する。

・労基や法律相談に行くときに持っていくもの

職場の就業規則
過去の給料明細。
タイムカードのコピー
録音
その他証拠

全部なくても、取りあえず相談に行くのが大事。

・労基が動くタイミング
動くには証拠が必要。
証拠があればすぐ動いてくれる。

給料未払い系は、動く口実としてはかなり強いらしい。
残業代未払いの証拠が確定的ならすぐ動いてくれる。

ちなみに動くというのは、会社に指導に行ってくれること。

・指導
指導日は事前に教えてくれる。
(追記:監督署ごとの方針によるらしい)

こちらの希望もある程度聞いてもらえる。
「なるべく早く」や「退職後にしてほしい」など。

悪質性が高かったり、急を要する場合(他のスタッフへの被害の危険性など)は、指導日が早まることも。
結果は連絡してくれる。

・その他小ネタ
職場が怪しいと感じたら、とりあえずタイムカードのコピーを取っておく。
タイムカードがない職場は、出勤時間と退社時間を毎日メモしておく。

話がこじれて修復できないと感じた時は、職場とのやり取りを書類やメールでしたほうがいい。
証拠を残す意味で。
職場に出す書類は必ずコピー。

サインを迫られても、その場で書かずに、書類を持ち帰えること。
今はネットに情報が多いため、職場の意図はすぐわかる。
意図を知ったうえで、対応を考えること。

労基の指導が入れば、たいていは解決する。
もし職場がそれに従わない時は裁判になる。
が、99%職場側が負けるため、たいていは従う。

・労基に行く勇気がない
電話でも相談できる。

労働条件相談ほっとライン
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000088143.html

日本司法支援センター(法テラス)
https://www.houterasu.or.jp

弁護士会
「◯◯県 弁護士会 無料相談」でgoogle検索。

ハローワーク
https://www.hellowork.go.jp/index.html
会社都合で解雇すると、その会社は一定期間ハローワークに求人が出せなくなる。
だから自己都合にしたがる。
仕事探しのついでにハローワークに相談するのもあり。

転職サイト
https://kango-roo.com
アドバイザーさんが色んな相談に乗ってくれる。
クローズ求人、優良病院紹介など、条件の良い求人もある。

・職場への迷惑
考えなくてもいい。

残るスタッフの苦労を考えるのは、経営者の仕事。
労働者の仕事ではない。

日本の文化としては「辞める人の責任」とされがちだが、ブラック企業を喜ばせているだけ。
例えばアメリカや欧米は引き継ぎという習慣がなく、即日退職が当たり前。

・まとめ
労基や法律相談は、ちゃんと対応してくれます。
世間的には、お役所的な怠慢な対応されるイメージがあったりもしますが、実際は全然違いますよ(^^)
親身になってくれますし、行動力も圧巻です。

もちろん相談に行くだけでも勇気が必要です。

でも行ってしまえば気分的にはかなり楽になれるかと思います。
「色んな人が守ってくれる」という、精神的な安心感にもなります。

とは言え、最終的に私達にできるのは、気持ちを次に切り替えること。
ブラックな職場は、さっさと過去にするしかありません。

もちろん悔しさは噛み締めつつですが、そこにエネルギーを費やしても、何も生まれませんので…。

職場選びに失敗した教訓として、次に活かしましょう!

大丈夫!
今は人生のどん底です!
これ以上悪くなることは無い!

頑張って!