看護師が病休から復帰するときのコツ【体験者が語る】
サトコ@看護師(31歳・千葉)
「休職明けの復帰が怖いです…」
先日、知り合いの看護師(20代)から相談を受けました。
実は私、2度の休職経験があり、こうした相談をよく受けます。
「そうだよね…、怖いよね…」
「でも大丈夫だよ!」
「具体的にはね~」
と、いつもこんな感じで復帰ノウハウを伝えています。
今まで10人以上の方の相談に乗ってきました。
そこで分かった事があります。
復帰でうまくいくのは、どんなにフォローしても7割ほどの方。
残り3割の方は、また体や心を壊して…。
そうした看護師を少しでも減らしたい!!!
そこで休職からの復帰をテーマに、私のノウハウを全て書いてみたいと思います。
私の休職歴(自己紹介がてら)
私の1回目の休職は、忘れもしない看護師1年目…。
プリセプターのパワハラが原因で半年ほど休ませてもらいました。
その後は色々ありつつも、何とか復帰。
しかし!
やっぱりうまくいかず退職に…。
ただ幸いことに転職先はすぐに見つかりました。
良い先輩たちに囲まれ、順調に成長。
しかし5年目にまさかの病気(心疾患系)
2年の闘病。
休職扱いで待って頂きました(感謝!)
が、今後の体調を考え、涙ながらに退職。
それでも今は看護師9年目。
しかも「休職の経験を活かしてほしい」と、脳外病棟で働きながら、サブ業務として休職している看護師のサポートをしています。
復帰で失敗するワースト1
「原因が残っている」
これが復帰に失敗するワースト1の理由です。
例えば、人間関係の末に休職した場合は、「原因の人物が残っている」と復帰に失敗しがちです。
他にも、体を壊しての休職は「長時間残業が慢性的」「座る暇もない」「夜勤回数が多い」など、原因がそのまま残っていると失敗しやすいです。
上手く復帰できる看護師の大半は「異動」しているケースがほとんどです。
復帰の成功、失敗が分かる
復帰は1日目が肝心です。
ここできついと、たいていはうまくいきません。
復帰の「成功 or 失敗」は1日目でわかってしまうのです。
同じ失敗を繰り返さないためにも、速やかな異動がベストだと思います。
復帰の成功率を上げる施策
職場は、誰にでも合う合わないがあります。
逆に言えば、合う職場が必ずどこかにあります。
それを短期間でテストできる環境があると、復帰の成功はグッと高まります。
例えば、うちの病院のケースで恐縮ですが。
まず復帰する方は、看護部預かりとなり、少しずついろんな診療科を経験できるようにしています。
具体的には1日ごとに3~5つほど軽く回ってもらっています。
一番印象の良い所で、2週間の試用期間(時短あり)。
上手くいけば、1ヵ月普通に働いてもらいます。
ご本人と現場がOKなら、正式に配属としています。
ここまでやると、ほぼ皆さんが復帰に成功しています。
(持病が悪化してしまい、また休職された方はいましたが)
復職に成功すると、師長や主任の人事評価もアップするため、結構うまく回っています。
元の職場に復帰したいケース
これはうまくいかない典型です。
というのも。
休職原因のほとんどは人間関係が原因だからです。
原因の人物が残っていると、同じ結果になりがちです。
どちらかに異動してもらうしかありません。
現実的には、復帰する側が異動したほうがうまくいやすいです。
(人間関係をリセットできるため)
基本的に「また休職しそう」と周囲が気を遣いますからね。
一線を引かれ、どうしても孤立しがちになります…。
最初は時短の方がうまくいくのか?
これは微妙です。
体や心の負担的には時短がベストだと思います。
実際、それでうまくいく人はいます。
でも時短が負担になることもあります。
他のスタッフが休憩もせずに走り回っているのに、自分だけ早く帰ることになりますので。
どうしても後ろめたさが残ります。
実際、周りからは良く思われないことがほとんどです。
特に時短とフルタイムで給料差がないと、周りの不満は高まりやすいです。
「なんで私達はこんなに必死なのに、あいつだけ…」という感情は、人間なら誰しもが持ってしまいがちですからね。
時短でうまくいのは、図太い人、周りとの関係が作れている人、運よくいい職場に恵まれた人です。
フリー業務の方がうまくいく?
これはYESです。
いきなりの担当持ちは、責任が重くなりがちです。
看護部預かりが良い?
これもYESです。
所属先が看護部預かりだとなぜかうまくいきやすいです。
理由としては「心の負担が少ない」ではないかと思っています。
例えばうちの病院では、業務終了後に看護部に顔を出してもらい、簡単に1日の報告をしてもらっています。
これだと職場を離れる口実ができるため、帰宅しやすいようです(時短や残業なしはやはり気を遣う)
復帰者扱いはいつまで?
長くても半年だと感じます。
休職後の特別扱い(時短、フリーのみ、リーダーなし)は、長引くと現場からの不満が必ず出るからです。
半年以上続くとほぼ確実に出ます。
風当たりはドンドン強くなります。
今後の進退は早めに決めた方が良いです。
異動なのか、退職なのか、パート扱いなのか。
遅くても3ヵ月ほど。
早めの切り替えが大事だと感じます。
でも決断できない…
分かります…。
弱っている時に将来に関わる決断はできないですよね。
そんな時は自分の心に従ってみればいいと思います。
「怖い…」
「また同じ結果になりそう…」
「戻りたくない…」
こうした人は転職もありです。
自分の気持ちに正直になった方が上手くいきやすいです。
どんな職場が良いか?
看護は、相性問題でもあります。
人間関係の相性、業務との相性、病院文化との相性。
「入ってみないと分からない」、極論を言えばこうなります。
しかし。
休職者に限って言えば、「余裕がある職場(ゆったり)」の方が上手くいきやすいです。
例えば、先輩からの叱責は「忙しい、怒られる」or「余裕がある、怒られる」で全然違います。
時間に余裕のある職場なら、先輩方も正しく叱ってくれますし、叱られる側も余裕をもって受け入れられます。
病院以外もあり?
これは人それぞれだと思いますが…。
個人的には病院以外も全然ありだと思います。
看護師の仕事は病院だけではありません。
訪問、介護施設、検診、保健所、クリニック、献血センターなど沢山あります。
転職サイトに登録すると視野が広がって良いかもしれません。
看護の求人は探しきれないくらいありますから。
自分のキャリアと照らし合わせて、自分に合った道に進むのがベストだと思います。
それが楽に生きられるコツです。
復帰できる気がしない…
心や体の不調は必ず改善します。
でも時間が必要です。
無理をせず働ける環境を探しましょう。
ゆっくりでも全然大丈夫です。
親身にサポートしてくれる人を見つけられると、失敗を減らせると思います。
まとめ
休職の復帰は「原因が残っているかどうか」で全然違います。
原因が残っていれば、別の道を考えるのも手です。
私達は幸運にも看護師ですから。
進める道は数多くあります。
それはあなたが考えている以上にたくさんあると思いますよ。
(#^.^#)