私はミスを隠す看護師でした

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・道庭アキコ(32歳・神奈川)

国内の県立病院からキャリアをスタート。
その後NGOに参加し世界の医療を経験する。
28歳で日本に帰国し、神奈川県川崎市の地域中核病院に教育マネージャーとして入職。
現在は大学病院の外科急性期にて主任を務める。
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看護師の皆さんこんにちわ。
道場です。

先月の講演の後。
とある新人看護師さんからこんな相談を受けました。

「道場さんは本当に凄いですよね・・。私なんて・・・。」

彼女は失敗続きの仕事に悩んでいるようでした。
でもその時は、次の講演が迫っており、話をしっかり聞いてあげることができず、アドバイスもできませんでした。
ごめんなさい。

遅くなりましたが、私からのアドバイスを書いてみます。

私はミスを隠す看護師でした

私は凄い看護師ではありません。

私の新人時代は、それはたいそうな落ちこぼれでした。
ダメ看護師として周りに評価されていました。
自分でもサイテーな人間だと思っていました。

ミスを隠す看護師だったから。

今でこそ主任を務め、周りの皆さんからも評価を頂けるようになりましたが・・・。
あの頃は失敗ばかりでした。

壊れかけていた新人時代

私の看護師1年目の目標は「いかにして怒られずに過ごすか」でした。

入職した病棟で理不尽に怒られる毎日でした。
「勝手にやるな!」と怒鳴られ、「そのくらい自分で考えろ!」と呆れられ。
どうしていいのか分からなくなっていました。

結局私は怒られないよう「働いているフリ」をしました。
何事も怒られないが最優先。
それに細心の注意を払っていました。

周りの同期も同じように委縮していました
思い返せば、看護実習時代からそうだった気もします。

それが働きだしてからさらに悪化した感じです。
当時の主任やプリセプターは、新人を叱るのが仕事だと思っていたようです。
「何をやったか、どんな成果を出したか?」ではなく、「言いつけをシッカリ守ったか?」を重視しているような人達でした。

結果として、私は何をするにも臆病になりました。
ミスをした時は「いかにして隠すか?」を真っ先に考えるようになっていました。
それは同期達も同じで、嘘の報告をしているのを何度か見かけました。

1年後。
新卒の子達が入ってきました。
みんなすぐに委縮しました(過去の私達のように)

私はそれを客観的に見て「ここにいてはいけない」と思うようになりました。
仕事に少し慣れ、職場の劣悪さが理解できたのかもしれません。

20人近くいた同期は、1年で半分近く退職していた。

「アンタも早くやめた方がいいよ。やっぱりあの病院異常だから」

辞めていった同期の言葉が後押しになりました。

2年目の夏。
私は退職しました。

その後はいくつかの病院を転々として、ご縁があって国際協力センターに参加しました。

もしあのまま働いていたら・・・。
私の人生はもっと悪い方向に進んでいたでしょう。

若い看護師は職場を選ぶべき

看護はプレッシャーと向き合う覚悟が必要です。

新人の頃はそれに潰されがちです。
ミスに委縮し、ミスを隠すようになります。

もちろんミスをしたら叱られるものだと思います。
でもそれが過剰になってはいけません。

「ミスをしても大丈夫」
「上司や先輩が守ってくれる」

安心感があるからこそ、人は失敗をバネに成長できます。

こうした環境を「心理的安全性」と呼ぶそうです。
心理的安全性が確保された職場は、そうでない職場に比べて、新人の成長速度が2倍以上になるそうです。

誰だって叱られたくありません。
でも失敗して、その原因を見つけて、改善していくからこそ、一人前の看護師になっていくのです。
それを支えるのが上司の役目であり、先輩の役目です。

ミスを隠す職場は、成長しない職場です。
小さなミスを隠し続け、いずれ大きなミスが発覚します。
それで辞めた看護師を何人も知っています。

でもそれは個人のせいではありません。
原因は環境であり、組織です。

あなたがもしミスを隠すのであれば。
人生が狂う前に、軌道修正したほうがいい。

転職は、看護師なら容易です。
1年目や2年目であっても。
二次新卒を中心に採用している優良な病院をいくつも知っています。

そうした情報が欲しいのであれば、転職サービスを利用してみてください。
例えば、看護rooという転職サイトは、二次新卒を大歓迎してくれるでしょう。

どこの職場にも理不尽に怒る人はいます。
でもそれと同じくらい、守ってくれる人はいます。

そのバランスが崩れた時。
ミスを隠す看護師が生まれてしまうのです。

あなたの職場はどうですか?

もしあなたがミスを隠すタイプなら、どうかすぐに転職してほしい。
ミスを隠すのは、個人の資質よりも、環境によるところが大きいから。

「失敗の科学」という有名な本にはこう書かれていました。

「優れている人ほど多くの間違いをおかしている」
「間違いを正しく修正する文化がある」

若い看護師には、ぜひこうした職場で働いてほしいのです。
切実に。